#17. 天文館でバニーガールを見た「あるんだ~ジッサイ」-2308九州

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天文館への道

画像に含まれる高校名・個人名と、この記事の内容とはなんの関係もありません。念のため。

乗りたかった特急『A列車で行こう』で熊本駅まで戻ってきた。

コインロッカーに預けておいた荷物も無事に回収した。

今日はこれから鹿児島県へ向かう。新幹線で鹿児島中央駅へ。九州縦断の旅も終わりが近づいてきた。

速すぎるのも問題だ

熊本駅から鹿児島中央駅まではわずか1時間足らずで着いてしまう。

自分の場合、列車が走り出してしばらく経ち、速度が安定してくるまではなんとなく気持ちが落ち着かない。

今回のように乗車時間が短いと、「さて、そろそろ寛げるかな」と思うころには、すでに駅が近づき、停車のアナウンスが始まってしまう事も多い。

早く着けるのは良いことに違いないが、気ままな旅においてはいささかせわしない。

天文館と子供連れの家族

ともあれ鹿児島中央駅に着いた。ひとまず宿へ荷物を置き、その後食事に出かける腹づもりでいた。

ホテルは天文館に取ってあった。天文館というのは鹿児島随一の繁華街で、特に夜間はクリーンとは言い難い雰囲気が漂う。だがその分安いホテルを見るけることができたのだ。以前来た時にこの辺りを歩いたことがあったので、理屈は分かっていた。

宿に向かって歩いていると、幼い子供連れの家族の姿が目についた。これから食事に行く、あるいは終えたらしい様子だが、このあたりの空気からするといささかミスマッチで、浮いた存在のように思える。

―家族で旅行だ。ネットでホテルを検索しよう。駅から近く、その割に安いホテルを見つけた。内装なども悪くないようだ。良い宿が予約できた。期待しながら現地に来てみてびっくり。まさかこんな場所だったとは…―

一瞬の間にそんなストーリーを想像した。ネットの情報だけではその土地の様子をリアルに想像することは難しい。

旅をしていると「こんなはずじゃなかったのに…」と思うことはよくあるものだ。しかし、だからといってそれが旅の汚点になるわけではない。思わぬ失敗も、旅の思い出に輪郭を与えるスパイスになり得る。今ではそう思うことができる。だから私は、この家族に対して同情はしなかった。

…と、ここまで家族の事情を勝手に想像し、それにもとづいて警句じみたことを述べてみたが、てんで見当違いである可能性も少なくないはずだ。実際にはこの家族も雰囲気の悪さは織り込み済みで、コストパフォーマンスを優先した、計画的な判断であったのかもしれない。

「あるんだ~、ジッサイ」

そんな中、バニーガールを見た。

通りに面したクラブの扉が開いていて、その前を通りかかった際、絶妙なタイミングで私の目に飛び込んできたのだ。

恥ずかしながら、バニーガールというものを実際に見たのはこれがはじめてのことであった。己の見識の不足を痛感する。

私にとってバニーガールといえば、『涼宮ハルヒの憂鬱』において、ハルヒが朝比奈さんに無理やり着せようとしたアレのイメージだ。まさかこんなところで本物をお目にかかれるとは思っていなかった。

つい「あるんだ~、ジッサイ(※)」と小声でつぶやいてしまった。(※)ラーメンズのコント『バニーボーイ』(『CLASSIC』に収録)で登場するセリフ。

旅行とはこれだから面白い。

チャンチャン!