#2. 追憶する機窓~青森行きの航空路にて

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今回のメインの目的地は函館だが、まずは青森へ向かう。その理由は1つ前の記事で説明したとおりだ。

空いているのも良し悪しだ

今回の出発地は神戸空港だ。

神戸空港は、とにかくいつも空いている。そのため手荷物検査などでも、あまり待たされたことはない。

手続きがスムーズなのは良いことだが、経営状況がちょっと心配になる。

神戸空港はアクセスが良く、僕としては非常に便利な空港なので、願わくはもう少し繁盛して欲しい。

手続きから搭乗まで、特に述べておくべきことはない。万事つつがなく進んだ。

着席した状態で出発時刻を迎えた。機体は滑走路を加速し、やがて離陸する。今回の旅の始まりだ。

動物園の檻みたい

空路に関して僕は詳しくないのだが、まずは西向きに進んでいるようだ。

青森の方向を考えると逆に進んでいるようだが、安全な航行のために必要な動きなのだろう。

しばらくすると機体は右方向に旋回し始めた。窓から陸地を見下ろせるようになる。

独特の地形が目に留まった。

海岸線がハート型の下半分を切り取ったような形をしている。後で航空写真と照らし合わせて分かったが、兵庫県明石市の大蔵海岸の砂浜のようだ。

消波ブロックが波を遮る関係で、砂浜がこんな形になるようだ。

調べていて気がついたのだが、この付近の土地利用は、海岸線の長さに対して、レジャー用の砂浜がほんの少しの距離しかない。

ほとんどは埋立地で、工場が建っていたり、埠頭になっていたりする。

それらの隙間の、ほんの少しの領域だけが、人間が泳ぐことを許されている場所なのだ。

それはまるで、動物園の檻に閉じ込められてるような印象を思わせ、少し悲しい気持ちになった。

大蔵海岸-E-175の機窓から

懐かしきシルエット

飛行機は北向きの航路に入ったらしい。

右手側に立派な山並みが見えるようになってきた。

目を凝らしてみると、さらにその奥、美しい形のシルエットを見つけた。あれは富士山か。

ということは手前の山々は南アルプスが見えているのではないだろうか。

富士山には以前登ったことがある。

山頂の火口を一周するお鉢周りをしながら、遠くに景色を見つけては、「あそこはあの辺だろうか、前に行ったことがあるな」などと思い出していた。

今は逆に、外から富士山を見て思い出している。

富士山-E-175の機窓から

どっちを向いているか分からないけど

さらに時間が経ち、青森が近づいてきた旨のアナウンスがなされた。

航空機というのは、空港への着陸態勢に入るとき、存外複雑な動きをしているようだ。

今自分がどちらの方角を向いているのか、正直もう分からない。

だが、分からないゆえに色々な想像をして楽しむことができた。

「あちらは北海道だろうか…」とか、「これはリゾートしらかみに乗った時に見た海が見えているのだろうか…」とか、そんなことを。

無事、青森空港に到着した。

エンブラエル E-175-JA13FJ