#6. 変わらないことのうれしさ。青森・柿源さんのホタテづくし定食

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八甲田丸を見終え、とりあえず1日目の観光は終了だ。

この日は午後からの移動だったため、スケジュールとしては少なめだった。こういうのも落ち着いていて悪くない。

ホテルにチェックインし、荷物を置いてから夕食に出かける。

目当ての店があった。「柿源」さんというホタテ料理のお店だ。

4年前、まだ東京に住んでいた頃、北海道&東日本パスを使って東北一周をした。その際に青森で食事をしたのがこのお店だった。

旅先で新たな店を開拓するのも良いが、久しぶりに訪れた地では店が存続しているか確かめたくなる。「アリユメ」さんのようなこともある。

以前訪れたときの印象では、決して新しい店ではなかったようだし、店を切り盛りしていたご夫婦(おそらく)もまた、ご高齢であったように見受けた。少し心配がよぎる。

果たして、お店は健在だった。以前と比べて店の印象は変わらないようだ。内心ホッとした。

入店した際、時間が遅いためお酒の類は出せない旨を女将さんから伝えられた。私は酒がそれほど強くないため、それについては全く問題ない。

話したついでに、「じゃっぱ汁」はできるかどうか聞いてみた。じゃっぱ汁は鱈のアラを用いた郷土料理だ。もう一度食べたいと思ったのだ。

残念なことに、じゃっぱ汁は冬の料理であり、今は季節でないから出せないのだそうだ。そう言えば以前来たときは3月で、ずいぶん寒かった。私はホタテづくし定食を注文した。

しばらくして料理が運ばれてきた。刺し身に焼き物、フライに塩辛まであり、まさにホタテづくしだ。

特にフライがサクリと上がっており気に入った。塩辛は焼酎か何かが欲しくなる味だった。

ホタテづくし定食_柿源さん

会計の際、この店のホタテは生で仕入れた品質の良いものを使っている、ということを女将さんが教えてくれた。

僕は少しうれしくなり、口元がほころんだ。

「実は前にも来たことがあるんです。そのときにも同じことを教えていただいたんですよ」

そう答えてお暇し、再びホテルに向かった。