#7. 誰が何と言おうと、「あおもりまちなか温泉」は最高

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食事が済んだので、再びホテルに戻る。今回泊まるのは「あおもりまちなか温泉」だ。

最近は少しだけこだわる

数年前なら、宿選びと言えば、もっぱら一番安い宿、すなわち4000円以下で泊まれるカプセルホテルなどを利用することが多かった。ネットカフェに泊まることもあった。まだ自由にできるお金が無かったためだ。

ただ、安宿では疲れを残すことも多く、そのせいで旅行が楽しめなくなってしまっては本末転倒との考えから、最近は少々だけ(ほんの少々だ)奮発もするようになった。懐の余裕が多少持てるようになってきたこともある。

こういうのがいいんだよ

出発前、ネットで見つけたのが「あおもりまちなか温泉」(公式には「まちなか温泉青森センターホテル」?)だった。

まず名前が良い。「まちなか」がひらがなで親しみを感じる。

そしてビジネスホテルでありながら、源泉の湯を使った露天風呂がある。旅行中は荷物を担いで1日中歩き回るのが僕のスタイルなので、温泉はありがたい。

加えてマンガコーナーがある。これは僕にとって非常に重要なポイントだ。どんなラインナップだろうか。期待が膨らむ。

朝食も付くそうだ。

結論として、「あおもりまちなか温泉」は僕が旅の宿に求めるすべての要素を備えていることが分かった。いくつかのネガティブな口コミも見られたが、これ以外の選択肢は無いように思えた。

急ぎ予約を取った。宿泊日が金曜日の夜ということで、混雑が予想されたが、無事部屋を確保することが出来た。

あおもりまちなか温泉

贅沢な時間

そうして、現在に至る。

この日は温泉を楽しんだ後、就寝。翌朝、朝食のためにレストランに向かった。

レストランと銘打たれているが、高級感があるというわけではなく、フードコートみたいな雰囲気だった。庶民的で非常に好感が持てる。

食事はホテルによくあるバイキング形式で、青森の郷土料理がラインナップされているのが嬉しい。帆立の貝焼きにはじまり、菜の花ニシン漬け、けの汁などあった。

「青森まちなか温泉」での朝食

けの汁(けのしる)は、細かく刻んだ具材を煮て味噌で味をつけた、津軽地方の郷土料理だ。非常に素朴な料理だが、豊富な食材から出た出汁がしみじみとうまかった。昨日決意した通り、りんごジュースももちろんいただいた。相変わらずうまい。

レストランにはテーブル席もあったが、空いていたので座敷を利用した。これが非常に居心地が良い。テレビも見られるし、マンガも読める。何より、利用客たちが肩肘張らずに寛いでいる様子を眺めていると、「今は面倒事なんて忘れていても良いんだよ」という許しを得られたような気がした。

同時に、僕は予約した際に見かけた口コミを思い出していた。そこに書かれていたマイナス点は、確かに事実を捉えている。1泊してみての率直な感想だ。しかしながら、今ここで味わっている寛ぎの時間は、それらのマイナスを補ってなお余りあるものだ、とも思った。多少のマイナスがあろうとも、この贅沢ができるだけで、十分この宿を選ぶ理由になる。僕は再訪したい宿が1つ増えたことを喜んだ。

この後、予定では早めに宿を出、弘前を再訪したいと思っていたのだが、無事に頓挫したのだった。