私を含む一行は、函館熱帯植物園にやってきた。
正面窓口を通り抜けてすぐのことろに、猿山がある。
一行はすぐに植物園へとは進まず、その猿山の前に立ち止まった。
猿たちは、互いに毛づくろいをしたり、日なたで日に当たったり、木陰で休んだりしていた。
我々はしばらくの間、何を話すでもなく、半ば呆然と猿たちの様子を眺めていた。
そのまま10分か、20分かが経った。
旅の疲れなどもあったかもしれない。この日は3日ある旅程のうちの、2日目の昼過ぎだった。
無意識のうちに、猿たちに癒やしを求めていたようだ。