函館での夕方のこと。食事に向かう移動中、「日本最古のコンクリート電柱」なるものを見つけた。現役で活用されているもののようだ。
建造年は1923(大正12年)。このときは2023年だったから、ちょうど作られてから100年目ということになる。
今年100年目といえば、関東大震災が想起される。
当の震災では、地震そのものの被害もさることながら、その後に起こった火災・延焼による被害が殊に甚大であった。
この時代以降、燃えやすい木造や倒壊しやすいレンガ造に変わり、鉄筋コンクリート造の建造物が広まっていった。関東大震災に対する反省が、数ある契機のうちの1つであったことは、それほど不自然な想像ではないだろう。
このコンクリート電柱はそのような時代に生まれたのだ…と考えると、その裏側に広がる歴史を垣間見られるような気がする。
街中で、あまりにもさり気ない存在だが、見逃さないで良かった。